隣家の秋色をお楽しみください。
かつて夏の陽射しが たけだかい木々の葉先に揺れ
森の下草の上にまでにふり注いで青い実を 気づけば秋の色に染め上げていった
幼い夢の頭上にのっていた麦わら帽子の丸い形の中で いち季節もまた成熟したときに
木のした道のこの実を拾う子どもたちも去って
別れにあたって思い出されることもなかった麦わら帽子は
いま森の奥のくぎつけにされた別荘の部屋に
夏のぬけがらのようにおかれ 秋風の音を聴いているだろう
その丸みの中にいっぱいの記憶を 来年まであたためつづけることができるみたいに
いかがでしたか。
私は四季のなかでこの季節が一番すきではありません。
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