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執筆者の写真のらぼ爺

ノラ爺に贈る


長年連れ添ったパートナーを〇〇子と呼び捨てにするそこの爺、オマエオマエと連呼すれど振り向いてもくれなくなったそこの爺、〇〇ちゃんとかわいらしく呼ぶことをよぎなくされたそこの爺、目的によって変幻自在に敬称選択するそこの爺、紳士らしく〇〇さんと呼びながらも顔色を気にするそこの爺、50数年前の君の姿を思い出してほしい。

パートナーが今とたとえ違ってもいじらしく、甘えながら、〇〇さんとか〇〇ちゃんとか呼ばれ、あなたなしには生きていけないなんて言ってくれた黄金時代があったはずだ。

間違いなくあった。確かにあった、あった...。

そんな今日この頃の爺様に一遍の詩を贈ろう。


モンパルナスの小部屋

ほんの少しこころ苦しくかったりするのではないか

夏のプロバンスで真っ赤に焼けていた秘め事の数々を

後始末もしないでパリへ帰っていったのだから

女文字の手紙をあのすすけた明かり取りの窓辺で読むとき

すでに無情の霧雨が降っていたりしなければいいが

彼 大荷物を背負って秋を迎えることになる彼

イスタンブール公園の木々の葉が色づいて

一瞬明るさをましたかに見える散歩道に

たっぷり落ち葉が散っているに違いない

もはやどうすることもできない彼のこころ残りの数のように


真っ赤に焼けた秘め事  思い出そう!!


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